ボム君.com

『阪急電車』読んだ。

この記事をシェアする

f:id:nogizacarp:20180407022808j:image

 

以前友達から「読んでみ」と頂いた文庫本。

 

有川浩さんの『阪急電車』という小説。

 

小説に疎い僕でも、作者名もタイトルも知ってる、いわゆるベストセラーというやつです。

 

渡されたその日の夜に数ページめくってみて、小説が苦手だけど「これなら読めそうかな」と思ったものの、旅の途中だったため物語も進まないうちに閉じて眠ってしまい、それきりになっていた。

それが先日、久しぶりに電車に乗る機会があったので、ブログは行った先で書くとして…何かスマホ以外で楽しめるもの…と考えたすえに浮かんだのが読書という案であり、それならあれかなと押入れから出したのがこの本。『阪急電車』だった。

 

電車内でこのタイトルの本を読んでいるのを見たら、僕だったら「ほぅ………」というくらいには注目してしまいそう。まして、話題の最新作!というわけではなく、出版はちょっと前の、しかし僕でも知っている有名小説だからなおさらである。

 

(「である」とか使っちゃうのはなんかもう…ね、小説読んだ後だからさ。わかってこの気持ち。笑)

 

読書の遅さには定評のある僕なので、結局その日の電車の行き帰りでは読みきらず、翌日の朝に読了した。途中、戻って読み返したり、ぼ〜っと考えたり、想像したり、という時間も含めて、合計で3,4時間はかかったと思う。

 

 *

 

で、ここからは感想。

期待してないとは思うけれど、僕が「小説が苦手」と自負している以上、文学的な感想、表現、分析は出てこないと思います。ちなみに、さっき『プラトニック』の意味を調べたところ。

 

舞台は、阪急電車。その中の『阪急今津線』という駅が8つ、片道15分きりの路線が往復する中で起こる様々な出来事__日常__が、固すぎず、柔らかく、しかし鋭く綴られている。

目次が8つの駅の名前になっており、往復分16の物語が描かれているのが第一の特徴。電車はいろんな人の、いろんな想いや背景を乗せて、だけど淡々と走っている。そんな日常過ぎて考えたこともなかった切り口に冒頭からハッとさせられる。___とか思ってたら最後の”解説”に同じようなことが書いてあった。

 

趣味は?と聞かれたら、よほどのことがない限り「一人旅です。」と答える僕だが、移動手段が手段であるため、電車旅というのはほとんど経験がない。

一応高校は電車通いだったが、路線が複雑に絡み合うような土地でもなかったのであまり詳しくもない。都会はもっと。関西なんてもってのほか。最近ようやっと新宿の乗り換えがスムーズになってきたところだ。

 

そんなわけで、この本をくれた友人には、「(これを読んだら)『電車旅も悪くないな...』とか思いそう。」というような推察をされた。きっとそのうちやる気がするよ。

 

 

あ、今更だけど、あらすじと感想を交互に...みたいな書き方はすごく長くなってしまいそうなので、読んだことない方はごめんなさい。サクッと読めるから、手に取ってみるのもいいかもしれませんよ。

 

 

このお話、著者の方がずーっと電車内で張り込んで観察しているのかな、と思うくらいにリアル(日常)が描かれていて、どんどん引き込まれる。電車に乗っている時間なんて、言ってしまえばただの移動時間なんだけど、その時間に、音楽を聴いている人、本を読んでいる人、(作中には出てこないけど)スマホを見ている人がいて、みんなぼーっとしてて、一緒に乗り合わせた乗客になんか無関心で、だけどそれぞれがいろんなものを抱えている。そんな‟当たり前”が切り取られて物語になっているのが不思議で、読みながら、高校時代電車の中で『ぼーっと』していたのが悔しくなった。こんなたくさんのドラマ(出会い、別れ、会話)を逃していたなんて。。。

 

16の物語。だけど全く別のお話ではなく、それぞれが微妙に交差したり、くっついたり、気づかない人もいたりとあってそれが面白い。1番目〈宝塚駅〉に出てきた『ユキ』の名前が、15番目〈宝塚南口駅〉で登場した時は、おお!ついに!とうれしくなった。

 

えっ!とか、これは...と思うような出来事が並んでいるけれど、よく考えれば現実って僕らが思っているよりもずっと変だ。‟変なこと”、‟おかしなこと”、それはそのまま“現実”“日常”だったりする。それるけど、最近みたアニメ『宇宙よりも遠い場所』も、「女子高生が南極なんて、アニメだからね~」と思わず言ってしまうほどぶっ飛んでいる話だけど、彼女らにしてみたらそれが‟普通で日常”なのだ。僕にしたって、こんなブログを書いていることはある意味では“おかしなこと”“変なこと”であり、またある意味では“ふつーのこと”“日常”なのだ。そう考えるとこの世界も捨てたもんじゃない。

 

 

そんな中、電車は走る。当たり前 カッコ 奇跡 カッコ閉じ だ。

 

 

気になった場面について、いくつか。

 

この物語に出てくる人物は女性が多く、かつ僕とすり合わさるような境遇の人物があまりいなかったので、感情移入というか、自分がそうなることを想像するようなことはほとんどせずに、傍観者としてただただほっこりする見方になった。

それはいいとして。

 

ちゃんと数えてはいないけれど、体感的に一番多く登場した翔子。いきなり「えぇ...よくやるなぁ...」と思ってしまったけど、いろんなものとの出会いを通して女性らしくかわいらしい人間像が浮かび上がってきて、応援したくなった。「今は奢りたくない」という想いがとても素敵。

 

 

えっちゃんたちの話に聞き耳を立てるミサ。近くに居合わせたグループの話を盗み聞きしてにやにや、というのは何度も心覚えがある。なんで盗み聞きしてるときって思わず吹き出すような話題に遭遇するんだろう。(「『絹』やそれはーーーー!!」)

 

 

「ええか?俺は今からあるだけ理性を使い尽くすぞ。もう一回こんなことやられたら、そんときは我慢でけへんぞ。」えっちゃんの彼氏、イケメンすぎる。「糸に月」やけど。そういえば彼の名前は(僕が見逃していなければ)出てこなかったなぁ。あれか、電車に乗っていないからかな。

確かにミサの友達として出てきたマユミは、回想シーンで電車に乗って...ってあれ?あれは阪急電車なのか?あ、ってかマユミのお兄さんはもっと電車に関わってないのに健吾って名前が出てる。なんでえええええええええ

 

 

征志とユキ。「お互い、図書館でたまに見かける好みのタイプ」という設定が甘酸っぱい。でもあるよね。「よく見かけるちょっと気になる人」。こういうの読むと、相手も実は気にかけてくれてたりするのかなとか期待してしまいそう。

高校通ってた時もいた。毎朝駅から学校までの道を、逆方面(つまり駅)に向かって1人で歩く女の子。逆らって歩く人はいつも少なかったのに、一緒に通ってた友達に言っても、「そんな子いたっけ?」と全く気にかけていなかった。あの子はどこの高校に通っていたのだろう。多分年は同じくらいなはず。タイプかと言われたらすこし違うけど、きれいな子だったのを覚えている。気になる。

 

 

そして何より、というか、わざわざこんな感想文を書こうと思ったのはすべてこの思いを共有したかったから、というくらい印象に残っている。↓

美帆ちゃんかわいすぎる!!!!!!!!!

なんだあれは。可愛すぎるよ。この物語に出てくる女性はほとんど美人として紹介されているけど、美帆ちゃんがダントツでかわいい。電車の中で圭一と美帆ちゃんのやり取り(前半)を読みながらにやにやが止まらなかった。多分僕も圭一と同じく女性経験に乏しいがゆえの感想というのも少しはあるのだと思うけれど...美帆ちゃんはかわいい。それは譲れません。

この2人の物語だけでもう1冊書いてほしい。お願いします。本編に描かれていない、可愛すぎる美帆ちゃんと、平然を装いつつ、脳内は「なにこの生き物可愛すぎる....」という感想に支配されちゃっている圭一の毎日は、たぶんほほえましいとかうらやましいとかそういう次元を越してる。読みたい。読んで「くうわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」みたいな、わけのわからん奇声を上げてキュンキュンしたい。いやもう本編で十分キュンキュンしたけど。さすがにそれは電車ではなく家で。

 

 

 

珍しく、久しぶりの、小説を読んでみて、すごくほっこりした。もともとそういう作品だけど。

征志とユキに釣られて図書館に足を延ばし、普段あまり見ない小説の棚を眺めて、何冊か面白そうなのをピックアップ。これから僕の中に小説ブームが訪れるかもしれません。

 

そういう意味でも、この本を読むきっかけを作ってくれた友人には感謝。楽しませてもらいました。

 

 

 

ただ、その友人の名前が、美帆ちゃんの彼氏と同じ名前であったことが、なんというかいろんな意味で悔しい。。。

 

やはり、‟デキる奴”だなぁと思ってしまったよ。

 

以上。

 

 

阪急電車 (幻冬舎文庫)

阪急電車 (幻冬舎文庫)